・ドライアイとは
涙は「油層」「水層」「ムチン層」からなっており、眼の表面をおおい、守るバリアのような働きをしています。
ドライアイとは、涙が不安定になって眼の渇きや疲れを感じるようになる病気です。角膜に傷ができると、ゴロゴロ感、痛みを生じることもあります。
ドライアイでは、見づらさ、まぶしさ、涙がでる、充血などの症状も出ます。
ドライアイには、涙の分泌が少ない涙液減少型と、涙の分泌が十分でも涙の安定性が低下しているBUT短縮型があります。2016年に以下のように定義されました。
【ドライアイの定義(2016年、ドライアイ研究会)】
ドライアイは、様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある
【ドライアイの診断基準】
BUT*5秒以下かつ自覚症状(眼不快感または視機能異常)を有する
*フルオレセイン染色による
シルマーテスト
濾紙や糸を用いて、涙の分泌量を調べます。
BUT検査
眼を開いてから眼の表面の涙の膜壊れるまでの時間(Break Up Time:BUT)を測定し、涙の安定性を調べます。
・ドライアイの治療
①点眼療法
ヒアルロン酸を含む保湿効果の高い点眼薬
ムチンの分泌を促し、涙そのものの量を増やす点眼薬
眼の表面の粘膜の傷を修復する点眼薬
を症状、所見に応じて使用します。
②涙点プラグ
涙の出口である目頭にある涙点を、小さなシリコン製のプラグ(栓)で塞ぐことにより、涙の排出を止めて少ない涙を眼の表面に溜めます。
③ドライアイ用眼鏡
保水パックに水を注入して装着する事で、フレーム内の湿度が保たれ眼の乾燥を防ぐことができます。
④マイボーム腺機能不全の治療
涙の油層は瞼の上下縁に20~40個あるマイボーム腺という腺から産出されますが、なんらかの原因でマイボーム腺が梗塞するとマイボーム腺機能不全を起こし、その結果涙液の油層がうまく形成されずにドライアイを引き起こします。
ホットタオルで温めたあとに、マイボーム腺梗塞部の処置を行います。加齢が原因で起きますが、若年でもアイメイクが原因で生じたりするので、要注意です。
⑤ドライアイ用眼鏡
保水パックに水を注入して装着する事で、フレーム内の湿度が保たれ眼の乾燥を防ぐことができます。
スマホ、パソコンなどの普及によりドライアイの方は増えています。室内の加湿に努めたり、作業の途中で点眼する、など工夫が必要ですね。